ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする

『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』の著者であり、ドイツ在住で育成年代の指導者としてご活躍されている中野吉之伴さんが、2018年のサッカー本大賞受賞式に出席するため3日間(3/12~14)という短い滞在時間の合間の3月13日(火)に新宿で開催された講演会に参加させていただきました。

スペインやドイツなどヨーロッパのサッカー大国と呼ばれる国々では、大人から子どもまで"公式戦"としてリーグ戦を戦い抜けるシステムがあり、それは全国大会に出るためのリーグではなく、ノックアウト方式のような負けたら終わり。ではなく、たとえ負けたとしても、次があるのでそれに向けて準備をすること、ミスしても次があるというのを言葉だけでなく、リーグ戦を文化にすることによって、習慣化することができ、幼い頃から過度にプレッシャーを与えないという、サッカー大国である国々の大人が作り上げたシステムは、将来、国を代表してプレーする、育成年代の子どもたちに向けたメッセージを感じることができます。

中野さんの本の中に『サッカーと生きる道を探り続けています。』という言葉があります。

肉体的な限界を感じ、一度、自分のサッカーから距離を置いた時期もありましたが、指導者としてサッカーを伝える側となり、改めてサッカーの奥深い素晴らしさを感じ、

一言では語り尽くせないですが、プロ選手になったわけでも無い自分にとっても、生涯においてサッカーは自分を作ってきたものなのかもしれません。

この日の講演会は、事前に中野さんへの質問を出させていただき、中野さんがそれに一つ一つ答えていただくという座談会形式の講演会で、質問の内容も多岐にわたり、色んな方々の相談を自分のことに置き換え、中野さんから返してくれた言葉に、ただただ頷くばかりでした。

それは『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』を読み始めてすぐに自分の中で起こった、どこかホッコリとした温かな感覚と同じで、著者である中野さんご本人の言葉なのだから当たり前なのかもしれませんがw会場は、とても和やか雰囲気に包まれていました。

僕の事前の質問に対しても
『自分が考えるその日のトレーニングで、獲得させたいプレーが出で満足することなく、それ以上のプレーが出るようなアプローチをする』

と答えてくれた中野さんの言葉に、子どもは遅かれ早かれ僕ら大人の想像を超えていき、それはとても嬉しいことで、失敗を指摘することなく、チャレンジを促すようなことで、本来の子どもらしい、伸び伸びとしたプレーができる環境を作ることが大人の役目なのだと感じました。

プレーヤーから子どもたちにサッカーを教える側となった今。

自分も中野さんと同じようにサッカーと生きる道を探り続け、中野さん、この日集まった皆さんと同じ気持ちで、子どもたちが伸び伸びとサッカーが出来る環境をこれからも作っていきたいと思います。

僅かな滞在期間中、貴重な時間に講話していただいた中野吉之伴さん。

講演会を企画していただいた日本CPサッカー協会理事、ASユナイテッド代表の松村健一さん、本当にありがとうございました。


きたぐりユナイテッドFC

2014年に発足。茨城県桜川市で活動するジュニアサッカークラブです。